アヤメの仲間(植物学上ではアヤメ科アヤメ属)は、世界で200種類が知られており、これら自生種から園芸化されたものも多く、日本ではその代表が花菖蒲です。 ここでは、その中でも「いずれがあやめかきつばた」という言葉があるように、区別の難しいアヤメ、ハナショウブ、カキツバタの違いを、わかりやすく解説しました。 ごく簡単に言いますと、花びらの基のところに、花菖蒲は黄色、カキツバタは白、アヤメは網目状の模様が、それぞれあることで区別できます。 また、サトイモ科のショウブは、アヤメ科ではありませんが、その葉姿がアヤメに似ていることや、古い時代「あやめ」や「あやめ草」と呼ばれていたこともあり、昔からしばしば混同されて来ました。この植物は葉や根茎に芳香があり、端午の節句の「菖蒲湯」や、「菖蒲葺き」、「菖蒲酒」など、古くから邪気をはらう植物として使われ、こんにちでも「菖蒲湯」の風習は残っています。 |
ノハナショウブ(花菖蒲) | アヤメ | カキツバタ | ショウブ | |
各種原種 | ||||
生育場所 | 湿原や、水分の多い草 原に生える |
排水の良い草原に生える | 湿原に生える | 湿地に生える |
開花期 | 5月下旬から6月 | 5月上中旬 | 5月中下旬 | 5月上中旬 |
花 |
園芸種には花色や花形 |
花菖蒲ほど変化はない が、最近では様々な改良 品種が見られる。花弁の 弁元に網目状の模様が ある |
花菖蒲ほど変化はないが、 数多くのの園芸品種があ る、花弁の弁元に白い目型 模様があるのが特徴 |
サトイモ科独特の花を株 元近くに付けるが、ほと んど目立たない |
葉 | 葉幅の広いものから細い ものまでさまざまだが、 葉の主脈が葉の中央に表 に一本、裏に二本、はっき りと突出する |
ハナショウブに比べ細く、 葉の主脈はほとんど目立 たない |
一般的な花菖蒲よりやや幅 広で、葉の主脈は目立たない |
一般的な花菖蒲とほぼ 葉幅が同じで、主脈もは っきりしている。ショウブ 独特の芳香がある |